
電源アースとは?役割・仕組み・必要性をわかりやすく解説
電気設備や家電製品の説明でよく目にする「電源アース(接地)」。 しかし、「なぜ必要なのか」「付けないとどうなるのか」を正確に理解している方は意外と少ないのではないでしょうか。 本記事では、電源アースとは何かという基本から、仕組み・種類・法律上の位置づけ・設置が必要な理由までを、初心者にもわかりやすく解説します。 住宅・工場・電気工事の実務に関わる方にも役立つ内容です。
電源アースとは?
電源アース(接地)とは、電気機器や配線から発生した異常な電気を大地(地面)へ安全に逃がす仕組みです。機器内部の故障や劣化によって、金属ケースなど本来電気が流れない部分に電圧がかかることがあり、アース線が設置されていれば、人体ではなく地面へ電気を逃がして感電や火災を防ぐことができます。
なぜ電源アースが必要なのか
感電防止のため
最も重要な目的は感電事故の防止です。アースがないと漏電時に人が触れると感電する危険があります。特に下記の場所ではアースが必須です。
水回り(洗濯機・エアコン・給湯器)
金属筐体の機器
工場・屋外設備
漏電遮断器を正しく動作させるため
アースは漏電遮断器(ELB)の動作を助けます。漏電時、アース線を通じて電気が流れることで異常を検知し、ブレーカーが瞬時に遮断します。アースがないと安全装置が十分に機能しません。
機器・設備の故障防止
雷サージ・静電気・ノイズ電圧などの不要な電気を地面に逃がし、電子基板や精密部品の破損防止と機器寿命の延長につながります。
電源アースの仕組み
電気機器の金属部分とアース線を接続
アース線を接地極(アース棒・接地網)へ接続
異常電圧が発生した場合、大地へ電気が流れる
地面は大きな電気容量を持ち、電圧をほぼゼロに戻します。
アースの種類(接地工事の区分)
種類 | 用途 | 特徴・例 |
|---|---|---|
D種 | 一般住宅・家電製品 | 接地抵抗100Ω以下。洗濯機・冷蔵庫等 |
C種 | 低圧設備の金属外箱 | 工場設備・業務用機器 |
B種 | 高圧設備用 | 変圧器・キュービクル等 |
A種 | 特別高圧設備 | 発電所・変電設備等 |
一般家庭では主にD種接地が使用されます。
アースを取らない場合のリスク
感電事故の発生
漏電遮断器が作動しない
機器の誤作動・故障
火災リスク増加
法令違反(設備による)
業務用設備や水回り機器でアース未施工は重大事故につながるおそれがあります。
アースが必要な主な電気機器
エアコン
洗濯機
冷蔵庫
電子レンジ
IHクッキングヒーター
給湯器
工場機械・制御盤
これらは金属外装+高電圧のため、必ずアース接続が推奨・義務付けられています。
まとめ|電源アースは「見えない安全装置」
電源アースは、感電・火災・機器故障を防ぐ最重要の安全対策です。普段は目立たない存在ですが、万一のトラブル時に人命と設備を守る最後の砦となります。
感電防止
漏電遮断器の正常動作
設備・機器の長寿命化
法令遵守
住宅でも工場でも、正しいアース施工が安全な電気環境の基本です。
小原 一馬
経営企画室
