
電動ドライバーと電動インパクトドライバーの違いを徹底解説
〜構造・性能・用途・現場での使い分けまで〜
電動ドライバーの仕組みと特徴
2-1. 基本構造
電動ドライバーは、
モーターの回転力をそのまま先端に伝える構造です。
回転のみ(打撃なし)
クラッチ機構あり
一定トルクで停止
この「クラッチ」が最大の特徴で、設定トルクに達すると空転し、それ以上締め付けません。
2-2. トルクと回転数
トルク:弱〜中(数Nm〜40Nm程度)
回転数:低速〜高速まで調整可能
特に低速・低トルク領域のコントロール性が非常に高いのが電動ドライバーの強みです。
2-3. 電動ドライバーが得意な作業
分電盤・制御盤内の端子締結
照明器具・スイッチ・コンセント取付
精密機器の組み立て
樹脂製品へのビス止め
ネジ頭を傷めたくない作業
2-4. メリット・デメリット
メリット
締めすぎ防止(品質が安定)
ネジ山・ネジ頭を壊しにくい
静音で室内作業向き
手首への負担が少ない
デメリット
固い材料には力不足
長いビスや太いビスが苦手
下穴なし作業には不向き

3. 電動インパクトドライバーの仕組みと特徴
3-1. 基本構造
インパクトドライバーは、
**回転+打撃(インパクト)**という特殊な機構を持っています。
ネジが固くなった瞬間に、
内部のハンマーが
アンビルを叩き
瞬間的に強い力を与える
この動作を1秒間に数十回繰り返します。
3-2. トルクの特徴
最大トルク:非常に高い(150〜200Nm以上)
実トルク:打撃による瞬間力
この「瞬間的な強トルク」により、
固い木材
鉄材
コンクリートアンカー
なども楽に締め付けできます。
3-3. 電動インパクトが得意な作業
木材への長ビス打ち
建築下地組み
屋外設備工事
ボックス・架台固定
アンカー施工
3-4. メリット・デメリット
メリット
圧倒的なパワー
作業スピードが速い
手首が持っていかれにくい(反動が分散)
デメリット
締めすぎやすい
ネジ頭・部材破損の恐れ
騒音が大きい
繊細な作業に不向き
4. 「打撃」がもたらす決定的な違い
4-1. なぜインパクトは強いのか
人の腕で例えると、
電動ドライバー:じわっと回す
インパクト:ハンマーで叩きながら回す
このため、
摩擦抵抗を超えやすい
一気にネジが進む
固着したネジも外しやすい
4-2. 仕上がりへの影響
電動ドライバー:均一・安定
インパクト:力任せ・個人差が出やすい
品質管理が必要な作業ほどドライバー向きです。
5. 現場別・用途別の最適解
5-1. 電気工事現場
作業内容 | おすすめ |
盤内端子 | 電動ドライバー |
照明器具 | 電動ドライバー |
PF管・VE管固定 | インパクト |
ボックス固定 | インパクト |
5-2. 建築・設備
下地組み → インパクト
仕上げ取付 → 電動ドライバー
5-3. DIY・一般家庭
家具組立 → 電動ドライバー
ウッドデッキ → インパクト
6. よくある失敗例
インパクトで端子台締結 → 締めすぎ・破損
電動ドライバーで長ビス → 途中で止まる
インパクト1本運用 → 仕上がりが荒れる
プロほど「工具を使い分ける」理由はここにあります。
7. 結論:最強の選択は「2台持ち」
正確さ=電動ドライバー
スピードとパワー=インパクト
どちらが上ではなく、
役割が完全に分かれた工具です。
特に電気工事・設備業では
両方を使い分けられる人=仕事が丁寧で速い人と言えます。
小原 一馬
経営企画室
