
大光電機株式会社が照らす、100年の軌跡と未来
1926年創業の**大光電機(DAIKO)は、100年近い歴史を持つ照明専業メーカーです。最大の強みは、照明設計のプロ集団「TACT」**による高度な空間提案力と、7,000点を超える多彩な製品群にあります。 経営理念に「社員・株主・取引先」の共栄を願う**「三笑三栄」**を掲げ、近年は植物由来プラスチックの採用やサーカディアンリズムに配慮した光など、環境と健康の両立に注力。2026年の創業100周年を見据え、単なる器具製造に留まらない「光のソリューションカンパニー」として、持続可能な未来を照らし続けています。
光の価値を再定義する——大光電機株式会社が照らす、100年の軌跡と未来
あかりは、単に暗闇を払うための手段ではありません。それは空間の温度を決め、人の感情を揺さぶり、時には生活の質そのものを向上させる「力」を持っています。日本の照明業界において、100年近い歴史を誇りながら、常に革新的な「光」を提案し続けている企業があります。それが**大光電機株式会社(以下、DAIKO)**です。
1926年(大正15年)の創業以来、DAIKOは一貫して照明器具の専業メーカーとして歩んできました。本稿では、同社の歩んだ歴史、業界における独自の立ち位置、そして「三笑三栄」の精神で描き出す未来の展望について、深く掘り下げていきます。
第1章:大正から令和へ——技術と信頼を積み上げた「光の歴史」
DAIKOの歴史は、1926年9月、田中寿雄氏が「大光電機製作所」を創設したことに始まります。日本が近代化の波に乗り、電灯が家庭や街に普及し始めた時代、同社は照明器具の製造・販売を通じて、人々の暮らしに光を届ける役割を担いました。
1948年には組織を改組し、現在の「大光電機株式会社」が設立されます。戦後の高度経済成長期において、DAIKOは官公庁や設計事務所から高い信頼を得る「指定メーカー」としての地位を確立しました。この時期の強みは、確かな品質と「現場のニーズに応える設計力」にありました。
1960年代から70年代にかけては、一般家庭向けから店舗・オフィス向けまで幅広く事業を拡大。1969年には、現在のDAIKOの代名詞とも言える照明設計の専門家集団**「TACT(タクト)」**部門を開設しました。これは単に「器具を売る」だけでなく、空間全体を光で演出する「照明プランニング」という新たな価値を市場に提示した画期的な出来事でした。
第2章:照明専業メーカーとしての独自性と「TACT」の存在感
日本の照明市場には、家電総合メーカーから中小規模の専任メーカーまで数多くの企業がひしめいています。その中でDAIKOが唯一無二の立ち位置を築いている理由は、**「専業メーカーとしての専門性」と「人間中心の提案力」**にあります。
1. プロフェッショナル集団「TACT」の提案力
DAIKOを語る上で欠かせないのが、全国に配置された照明デザイナー集団「TACT」です。彼らは最新の光学理論と豊富な経験に基づき、住宅や商業施設のコンセプトに合わせた最適な配光計画を提案します。 「まぶしさを抑えながら、必要な場所に必要な光を届ける」といった、数値化しにくい「心地よさ」を空間に実装できる点は、競合他社に対する大きなアドバンテージとなっています。
2. 多彩な製品ラインナップと特注対応
DAIKOの製品カタログは7,000点を超えるアイテムを網羅しています。しかし、同社の真骨頂は「カタログにないもの」への対応力にもあります。設計者やデザイナーのこだわりを実現するため、特注器具の製作や細かな仕様変更にも柔軟に応じる姿勢は、建築業界のプロフェッショナルから高く評価されています。
3. 品質への徹底したこだわり
東大阪に技術研究所や中央商品センターを構え、自社内で厳格な試験(電気、温度、光、強度、防水など)を実施しています。専業メーカーだからこそ、光の質(演色性や調光の滑らかさ)において一切の妥協を許さない姿勢が、DAIKOブランドの根幹を支えています。
第3章:社是「三笑三栄」——共存共栄の企業文化
DAIKOの経営の根幹には、**「三笑三栄(さんしょうさんえい)」**という深い哲学があります。これは、「社員、株主、取引先(お客様・仕入先様)」の三者が等しく笑い、共に栄えることを目指す思想です。
社員の笑顔: 成果主義と和の精神を両立し、個々の能力を最大限に発揮できる環境を整える。
株主の笑顔: 持続的な成長と適正な利益還元を通じて、企業価値を高める。
取引先の笑顔: 高品質な製品と誠実なサービスにより、ビジネスパートナーとしての信頼に応える。
この精神は、単なるスローガンに留まりません。例えば、DAIKOは女性活躍の推進にも積極的で、女性社員比率が約半分に達するなど、ダイバーシティ&インクルージョンを体現する企業としても知られています。「人が財産である」という考え方が、100年続く企業の原動力となっているのです。
第4章:サステナビリティと将来へのビジョン
21世紀、照明メーカーに求められる役割は「明るさの提供」から「環境負荷の低減と豊かな生活の提供」へとシフトしました。DAIKOは、この大きな時代の転換点において、次の3つの軸で未来を切り拓こうとしています。
1. 環境配慮型ものづくり(サステナブル・ライティング)
DAIKOは、再生プラスチックや自然由来の素材を活用した製品開発に注力しています。
DURABIO™(植物由来プラスチック)の採用: 石油資源の消費を抑えた素材の活用。
伝統素材との融合: 竹や籐、陶器など、環境負荷が低く、かつ伝統工芸の継承につながる素材と光の組み合わせ。
物流のグリーン化: 梱包材の削減やリサイクルシステムの構築により、廃棄物ゼロを目指す活動。
2. 「光×健康」へのアプローチ
サーカディアンリズム(概日リズム)に配慮した調光・調色システムは、現代人のストレス軽減や睡眠の質向上に寄与します。DAIKOは、医療・福祉施設やオフィスにおいて、人の生体リズムを整える光の活用法をさらに深化させています。
3. デジタルイノベーションと新事業
2020年からは虎ノ門ヒルズのインキュベーションセンター「ARCH」に参画するなど、既存の照明事業の枠を超えたイノベーションにも挑戦しています。AIを搭載した物流システムや、他業種との共創による新たな空間体験の創出など、DAIKOは「照明器具を作る会社」から「光を通じて社会課題を解決するソリューションカンパニー」へと進化を続けています。
結びに:100周年のその先へ
2026年、大光電機株式会社は創業100周年という記念すべき節目を迎えます。大正の創業期から変わらぬ「光への情熱」を胸に、彼らは今、脱炭素社会の実現や多様なライフスタイルの追求という新たな挑戦に向き合っています。
「三笑三栄」の旗印の下、誰かを笑顔にするために灯されるDAIKOの光は、これからも私たちの暮らしを、街を、そして地球の未来を明るく照らし続けていくことでしょう。
前田 恭宏
前田です
