
アースが効かない原因と現場対策|接地不良を防ぐ実務ポイント
アース工事を行ったにもかかわらず、 • 接地抵抗が下がらない • 漏電遮断器が作動しない • 機器にビリビリ感が残る このような状態は、「アースが効いていない」典型例です。 アースは施工しただけでは不十分で、 土壌条件・施工方法・接続状態のいずれかに問題があると、本来の性能を発揮しません。 本記事では、アースが効かない主な原因と、現場で即実践できる対策を詳しく解説します。
アースが効かないとはどういう状態か?
「アースが効かない」とは、異常電流や漏電が発生した際に、その電流を十分に大地へ逃がすことができない状態を指します。この状態を放置すると、感電や火災、機器の誤作動などの危険が高まります。
アースが効いていない主な判断基準
接地抵抗値が基準を超えている
接地抵抗が測定不能
感電・誤作動が発生する
漏電遮断器が動作しない
特に、接地抵抗(Ω)を数値で確認していない場合は、「見た目だけのアース」になっていることがあるため、注意が必要です。
アースが効かない主な原因と対策
原因① 土壌条件が悪い(最も多い)
乾燥した地盤
砂利・砕石・盛土
コンクリート直下
岩盤層
これらは電気を通しにくく、接地抵抗が下がりません。
現場対策:
湿気の多い場所へ設置変更
雨水が集まりやすい箇所を選定
散水してから測定
接地棒を複数本打設(並列接地)
接地抵抗が高い場合、まず土壌条件を疑いましょう。
原因② 接地極(アース棒)の長さ・本数不足
アース棒が短い(1m未満)
本数が1本のみ
表層土壌しか届いていない
十分な深さ・本数がないと安定した接地が得られません。
現場対策:
1.5m以上の接地極を使用
アース棒を2~3本増設
一定間隔をあけて打設し並列接続
「1本でダメなら増やす」が基本です。
原因③ アース線の接続不良・施工不良
圧着不良
ネジの締付不足
サビ・腐食
塗装面のまま接続
これでは電気的に導通しません。
現場対策:
正規工具で圧着端子を施工
接触部の塗装・サビ除去
スプリングワッシャー併用
定期的な増し締め
「見た目OK」でも必ず測定しましょう。
原因④ 途中接続・延長による抵抗増加
アース線の途中継ぎ
細すぎる線径
長すぎる配線
現場対策:
できる限り一本物で施工
規定以上の線径を使用
最短距離で接地極へ接続
原因⑤ 並列接地・共用接地の誤解
他設備と共用している
測定時に機器を外していない
正確な単独接地測定ができていない
誤った測定により実態より良い数値が出てしまうことがあります。
現場対策:
測定時は単独接地状態で実施
共用接地の場合も設計を確認
測定条件を記録・明確化
アースが効かないまま放置すると?
感電事故
火災リスク
電子機器の誤作動
雷・サージによる破損
法令違反・施工不良
特に工場・水回り・屋外設備では重大事故に直結します。
まとめ|アースは「効いているか」がすべて
アース工事で最も重要なのは、施工したかどうかではなく「効いているか」です。
土壌条件の確認
接地極の適正設計
確実な接続
接地抵抗の測定と記録
現場では必ず測定して数値で確認しましょう。
小原 一馬
経営企画室
