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電気屋さんの学び の記事

【保存版】パッケージエアコンの容量選定ガイド

25/08/18 14:08
【保存版】パッケージエアコンの容量選定ガイド

パッケージエアコンの容量選定は、空間の快適性や省エネ性に直結する重要な工程です。用途や面積に応じて必要な冷暖房能力を算出し、適切な馬力(HP)を選ぶことが求められます。事務所、飲食店、美容室などで熱負荷は異なり、誤った選定は効率低下やコスト増を招きます。各メーカー(ダイキン、三菱電機、日立、パナソニック)が提供する選定ツールを活用し、精度の高い提案と設計を行うことが、業者の信頼と顧客満足につながります。

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【保存版】パッケージエアコンの容量選定ガイド~業務用空調の基本と実践~

空調設備の中でも、業務用空間で広く使われているのがパッケージエアコンです。オフィス、店舗、飲食店、倉庫、美容室など、多種多様な空間に対応できる柔軟性と高い冷暖房能力が特長ですが、適切な容量選定を行わなければ、効率の悪化、光熱費の増加、快適性の低下など、様々な問題を引き起こします。

本コラムでは、パッケージエアコンの容量選定において押さえておくべき基礎知識・用途別の目安・早見表・選定方法を、業者様向けに体系的に解説します。

1. パッケージエアコンとは?

パッケージエアコンは、家庭用のルームエアコンに対し、業務用・商業用に設計された空調設備です。冷房・暖房能力が高く、複数の室内機を1台の室外機で制御するマルチ対応も可能。天井埋込型、壁掛け型、床置き型など多様な形状があり、用途や設置環境に応じた柔軟な設計が可能です。

主に以下のような場所で使用されます:

  • オフィス、事務所

  • 会議室

  • 飲食店、カフェ

  • 美容室、理容室

  • 医療施設、クリニック

  • 物販店舗、ショールーム

  • 倉庫、工場の一部エリア

2. 容量選定が重要な理由

パッケージエアコンは高価な設備であり、電力消費も大きいため、過剰または不足した容量選定は大きな損失につながります。

選定ミスの例

問題

過小選定

冷暖房が効かない、室温ムラが出る、設備の故障リスク増大

過大選定

初期費用・電気代の無駄、効率低下、除湿不足など快適性に影響

正しい選定を行うことで、省エネ性の向上、快適性の確保、設備寿命の延長など多くのメリットが得られます。

3. 容量選定の基本ステップ

容量選定は以下のステップで進めるのが一般的です。

ステップ1:部屋の面積・容積を確認

面積(㎡)と天井高さを掛けて、室内容積(㎥)を算出。標準天井(2.4m程度)なら面積だけでの判断も可能です。

ステップ2:用途による負荷を把握

業務用空間は、発熱機器や人員の発熱、外気の流入などにより、用途ごとに熱負荷が大きく異なります。

以下は、冷房時の負荷(必要能力)の目安です。

部屋の用途

冷房負荷の目安(W/㎡)

暖房負荷の目安(W/㎡)

一般事務所

130~160

120~150

会議室

160~200

150~180

飲食店

200~280

180~250

美容室

250~300

200~250

商店・物販

180~230

150~200

ステップ3:必要能力(kW)を算出

例)飲食店 40㎡ × 250W/㎡ = 10,000W(=10.0kW)

必要能力を求めたら、それに対応するエアコンの**冷房能力(kW)と馬力(HP)**を確認して選定します。

4. 馬力(HP)と能力・適用面積の目安

パッケージエアコンでは、出力の単位として馬力(HP)が使われます。1馬力あたりの冷房能力はおおよそ2.5~3.0kWです(メーカーや機種により差あり)。

以下は、冷房能力と適用面積の目安一覧です(一般事務所基準)。

馬力(HP)

冷房能力(kW)

適用面積(㎡)

1.5 HP

約3.6 kW

約20~25㎡

2.0 HP

約5.0 kW

約25~30㎡

2.5 HP

約6.3 kW

約30~35㎡

3.0 HP

約7.1 kW

約35~45㎡

4.0 HP

約10.0 kW

約50~60㎡

5.0 HP

約12.5 kW

約60~75㎡

6.0 HP

約16.0 kW

約80~90㎡

8.0 HP

約20.0 kW

約100~120㎡

10.0 HP

約25.0 kW

約120~150㎡

 5. よくある用途別の選定例

【例1】事務所(35㎡)

  • 用途:一般事務所

  • 負荷目安:150W/㎡

  • 計算:35㎡ × 150W = 5,250W(=5.3kW)

  • 推奨:2.0~2.5HPクラス

【例2】美容室(40㎡)

  • 負荷目安:280W/㎡(ドライヤー・照明等による発熱大)

  • 計算:40㎡ × 280W = 11,200W(=11.2kW)

  • 推奨:4.0~5.0HPクラス

【例3】カフェ(50㎡)

  • 負荷目安:240W/㎡

  • 計算:50㎡ × 240W = 12,000W(=12.0kW)

  • 推奨:5.0HP前後

6. 容量選定時の注意点

以下の要素によっては、標準値よりも多めの能力が必要になります。

  • 天井が高い(3m以上)

  • 窓が多く、日射が強い(特に西日)

  • 機器からの発熱が多い(厨房・サーバールーム等)

  • 外気の流入が多い(ドア開閉頻度が高い)

  • 長時間使用される空間

また、冷暖房のバランスを考えることも大切です。冷房を基準に選定して暖房不足になるケースもあるため、冬季の使用が多い場合は暖房能力の確認も必須です。

7. 実際の選定にはメーカーのツール活用を【主要4社対応】

上記の内容はあくまで目安値であり、建物の断熱性能、方角、天井構造などを考慮した詳細な負荷計算を行うことで、より正確な選定が可能です。

主要メーカー(ダイキン、三菱電機、日立、パナソニック)は、以下のような無料の選定支援ツールやソフトウェアを提供しており、現場に応じた正確な容量選定を支援しています。

メーカー

選定ツール名称

特長

ダイキン

らくらくマルチ選定

室内外機の組み合わせを自動提案、冷暖房負荷に対応

三菱電機

Air Create(エアクリエイト)

空間条件を入力して最適機種を提案

日立

空調設備設計支援ツール

容量選定・レイアウト設計などを統合

パナソニック

空調負荷計算ツール「ECO NAVI SELECT」

業種別の空調負荷計算に対応。エコナビ対応機種の提案が可能。

特にパナソニックの「ECO NAVI SELECT」は、使用目的ごとの細かな条件入力が可能で、最適な室内機台数・馬力・機種まで導き出すことができるため、設計・営業担当者の業務効率を高める強力なツールです。

8. まとめ

パッケージエアコンの容量選定は、空間の快適性・省エネ性・機器寿命に直結する重要なプロセスです。業者としては、現場の条件に即した適切な容量選定を行い、顧客に対して「効く空調」を提案できるかが信頼の分かれ道です。

  • 選定は面積・用途・負荷を基に行う

  • 馬力とkWの関係を理解して選定に活かす

  • 適用面積の目安を用いて、過剰・過小を避ける

  • 必要に応じてメーカーの選定ツールを活用する

しっかりとした選定が、長期的な顧客満足とコスト削減につながります。ぜひ、今回の内容を業務の一助としてご活用ください。

📩 ご相談・お見積もりのご依頼はお気軽に

弊社では、現地調査や負荷計算を含めた空調設計・機器選定サービスを提供しております。業種・業態・建物条件に合わせた最適なご提案を行っておりますので、お気軽にお問い合わせください。


Admin
前田 恭宏
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