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電気屋さんの学び の記事

既設基礎を流用できる縞鋼板を活用したチャンネルベース

25/08/01 15:20
既設基礎を流用できる縞鋼板を活用したチャンネルベース

キュービクル改修は、もはやコンクリート基礎の時代ではありません。縞鋼板を用いたチャンネルベースなら、基礎工事不要・短工期・低コストを実現。屋上や狭小地でもスマートに設置可能で、再利用性も抜群。次世代の電設工事は、"スピード"と"柔軟性"が鍵です。

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基礎工事不要!縞鋼板を活用したチャンネルベースでスマートにキュービクル改修を実現

はじめに

近年、老朽化した高圧受電設備(キュービクル)の改修が全国各地で進められています。特に商業施設や工場、マンションなど、日常の業務や生活に電力を供給する重要設備であるキュービクルのメンテナンスは、設備保全の要ともいえるでしょう。

しかし、キュービクルの更新や改修工事には、多くの場合、煩雑な基礎工事が伴います。従来はコンクリート基礎を打設し、十分な支持力と耐震性を確保するのが一般的でしたが、これにはコストや時間、さらには天候に左右される不確定要素が付きまといます。

こうした中、近年注目を集めているのが、「縞鋼板を用いたチャンネルベース」によるキュービクルの設置方法です。この新工法は、特に既設設備の改修現場や屋上施工など、物理的・時間的制約の大きい現場において、従来工法に代わる強力な選択肢となっています。

本コラムでは、実際の施工写真をもとに、この新しい施工スタイルの特徴やメリット、注意点について詳しくご紹介します。

チャンネルベースとは?

チャンネルベースとは、主に鋼材で作られた枠組みと縞鋼板(チェッカープレート)を組み合わせて構成される、簡易的かつ高耐久な機器設置基礎のことです。鉄製のチャンネル鋼で骨組みを作り、その上に滑り止め効果のある縞鋼板を敷くことで、安全性と耐荷重性を両立させています。

縞鋼板は、表面に凸凹の滑り止め加工が施されており、作業員の転倒リスクを軽減できるほか、排水性も確保されており、屋外使用にも適しています。

大型キュービクルの設置例

大型のキュービクルが屋上に設置されており、その下部に頑丈なチャンネルベースが敷かれています。金属製の床材は縞鋼板で構成されており、作業員が上を歩いても滑りにくい構造となっています。

また、ベース下にはケーブル導入用の開口が確保されており、電源系統の引き回しもスムーズに行えます。現場での柔軟な対応が求められる中、チャンネルベースの導入により、配線や接地の自由度も高まり、施工効率の大幅な向上が見込まれます。

基礎工事が不要となる理由と利点

縞鋼板を用いたチャンネルベースの最大の利点は、「従来のコンクリート基礎工事が不要である」という点です。

1. 高い支持力と荷重分散

鋼材は高い構造強度を持っており、キュービクルの重量を均等に分散可能です。設置面に適切なレベル調整と防振措置を施せば、コンクリート基礎と同等の安定性を確保することが可能です。

2. 短工期化とコスト削減

基礎打設にかかる時間とコストが大幅に削減されるため、改修工事全体の工程が短縮されます。とくに屋上や狭小スペースでの施工においては、工期短縮と重機不要という大きなメリットがあります。

3. 撤去・再利用が容易

鋼材で構成されているため、将来的な撤去や再利用も容易です。建物解体や設備更新時にも無駄な廃材を出さず、環境負荷を低減できます。

中小型キュービクルへの応用例

比較的小型のキュービクルが設置されていますが、こちらにも縞鋼板チャンネルベースが活用されています。

都市部の集合住宅や小規模施設では、基礎工事の制約が多く、こうした構造は非常に有効です。たとえば、建物屋上は構造上の制限が多く、打設作業や搬入作業が難航するケースもありますが、鋼製ベースであれば小分けで搬入し、現場で組み立てることで施工が完了します。

また、耐荷重を分散させつつ、設置全体をフラットに保てるため、保守点検や再工事の際にも優位性があります。

現場での施工ステップ

実際の現場では、以下のような流れでチャンネルベースが施工されます。

現地調査・寸法確認

設置面の傾き・凹凸・排水勾配などを事前にチェックし、ベース寸法と設計を確定。

鋼材の製作と搬入

工場でプレカット・溶接されたチャンネル鋼と縞鋼板を現場に搬入。

現場での組立と固定

フレームを組み立て、アンカー固定または防振ゴムなどでレベル調整。

キュービクルの据付

フォークリフトやクレーンで本体を設置。縞鋼板ベースの上に安全に配置。

ケーブル配線・結線作業

ケーブル導入部を利用して、盤内との接続を行う。

比較項目

コンクリート基礎工事

チャンネルベース(縞鋼板)

工期

長い(乾燥養生必要)

短い(即日施工可)

重量

非常に重い

軽量で搬入容易

再利用性

難しい

可能

コスト

高い

中〜低

雨天施工

不可

条件付きで可能

設計柔軟性

制限多い

高い

注意点と対策

もちろん、チャンネルベースの導入にあたっては、いくつかの留意点も存在します。

  • 防錆処理の徹底:鋼材を使用するため、長期間の屋外使用では腐食対策が不可欠です。亜鉛メッキや防錆塗装が標準対応。

  • 水平・レベル調整の精度:設置面の不陸がある場合、ゴムスペーサーやモルタルで微調整が必要です。

  • 耐震性能の検討:建築基準法や電気設備技術基準に準拠し、必要に応じてアンカーボルト等での固定を実施します。

    今後の展望と活用提案

    脱炭素・SDGsの流れの中で、設備工事においても「効率化」「省資源」「低環境負荷」が求められる時代となっています。

    • 仮設機器の一時設置

    • 屋上太陽光設備のパワコン設置

    • 非常用発電機の架台利用

    • EV急速充電器のフレキシブル設置ベース

    など、応用範囲は今後さらに広がっていくでしょう。

    まとめ

    縞鋼板を利用したチャンネルベースは、キュービクル改修における「基礎工事の簡略化」という大きな課題に対し、合理的かつ安全な解決策を提示するものです。

    施工性、コスト、耐久性のすべてをバランスよく実現できるこの方式は、今後の設備工事のスタンダードになっていくと考えられます。特に、「限られた時間・限られたスペース・限られた予算」で工事を求められる現代の現場において、その真価が問われる場面は増えていくでしょう。

    ぜひ、今後のキュービクル改修計画において、このスマートで柔軟な工法を選択肢の一つとして検討してみてください。

Admin
前田 恭宏
練習
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