「1級電気工事施工管理技士(二次検定)」問題1模範解答例

今回は、1級電気施工管理技士試験の受験者に向けた二次試験の問題1に対しての模範参考解答例です。出題傾向と採点基準を踏まえ作成しました。そこに実際に自身が体験された事案を頭に浮かべて文章をまとめて頂けたら学習の一環となると思います。
はじめに
問題1では通常、以下の3つの分野のうちいずれかが問われます:
· 工程管理
· 品質管理
· 労働災害防止対策
それぞれについて、想定される出題内容と模範解答例を作成しましたので参考にして頂けたらと思います。
【1】工程管理に関する模範解答(参考例)
出題例(想定):
「電気設備工事において、工程管理の重要性と遅延防止策について、あなたの経験を踏まえて具体的に述べなさい。」
模範解答:
電気設備工事において工程管理は、工期内に工事を完成させるために極めて重要である。工程が遅延すれば、他業種との調整に支障をきたし、全体工程の遅延やコスト増につながる可能性がある。
私が担当した新築工場の現場では、空調・衛生・建築工事との調整が多く、配線・配管のスペース確保が困難な状況が発生した。そこで、週1回の定例会議に加えて、日次ミーティングを実施し、他業種との調整を密に行った。また、各工区の進捗を「見える化」する工程表を作成し、作業班ごとに配布して共有した。これにより工程のズレに早期対応でき、遅延を防止することができた。
以上のように、工程管理は事前計画と関係者との調整が鍵となり、状況に応じた柔軟な対応が遅延防止に寄与する。
【2】品質管理に関する模範解答(例)
出題例(想定):
「電気設備工事における品質確保のために実施した具体的な管理方法とその効果について述べなさい。」
模範解答:
電気設備工事における品質管理は、安全かつ長期的に安定稼働する設備を実現するために不可欠である。
私が携わった病院新築工事では、照明・コンセント・ナースコール等の設置ミスや配線誤りを防止するため、事前に施工要領書を作成し、全作業員への周知徹底を図った。また、配線完了後には配線ルートや結線状態のチェックをチェックリストに基づき複数人で実施した。特にナースコール回路については、通電試験と動作確認を全系統で行い、不具合ゼロで引き渡すことができた。
このように、施工前の教育と中間検査・自主検査の実施により、品質の安定と信頼性の向上を図ることができた。
【3】労働災害防止に関する模範解答(例)
出題例(想定):
「あなたが施工管理に携わった電気設備工事において、労働災害を防止するために実施した具体的な取り組みについて述べなさい。」
模範解答:
電気設備工事現場では、高所作業や感電のリスクが常に伴うため、労働災害防止対策は最重要事項である。
私が管理したマンション建設工事では、高所作業中の転落災害を防止するため、作業前にKY(危険予知)活動を徹底し、毎朝の朝礼で危険箇所と対策を共有した。また、感電事故防止のため、充電部作業の際には必ず電源を遮断し、ロックアウト・タグアウト(LOTO)を実施。さらに、安全帯やヘルメットの着用状況を巡視で確認し、違反者には是正指導を行った。
その結果、工事期間中に無事故・無災害で竣工を迎えることができた。労働災害の防止は、日々の安全意識の向上と現場管理者の積極的な関与が重要であると実感した。
✳補足アドバイス
文字数は400~600字程度が目安。
実体験ベースで書くと説得力が上がります。
「結果」「効果」まで述べると高得点につながります。
現場名・内容は実体験に基づく事で、具体性を持たせてください。
まとめ
以上今年度の問題を上記3点に基づき、実体験を上手く作中に入れながら作成してまとめてください。
参考になりましたでしょうか?
合格を陰ながらお祈りさせて頂きます_(._.)_

前田 恭宏
練習